略奪愛の結末
「マリ 悪いんだけど
篤朗には 来ないように言ってくれる?」

「え?何で?」

「ほらここ一般病棟だし
男の人が来ると 迷惑かけちゃうし…
うまくいって心配しないでって伝えてくれる?」


「かまわないけど。
篤朗 心配してたから……。」

「電話するから 待っててって伝えてくれる?」


マリがなぜか嬉しそうに笑った。

「わかった。伝えておくね。」


「お願いね。」


マリがかえって また天井を見ていた。

篤朗を傷つけてしまう・・・・。
それだけが気がかりだった。
篤朗なら 子供なんていらないって絶対に
抱きしめてくれるだろう。

篤朗はそんなヤツだもん・・・・・。
昔から温かく私を支えてくれていた。


そんな篤朗を傷つけることだけが憂鬱だった。
でも・・・・・


この現実から目を背けることはできない。

「篤朗・・・・別れよう。
子供ができないの……篤朗の夢叶えてあげられない。
ごめんね 一杯一杯愛してくれたのに……許してね。」


そうつぶやくだけで涙が落ちてくる。

篤朗と別れを決めて・・・
こみあげるのは 幸せだった日々
恋が辛く切なくないのを知った時間

篤朗がささやいてくれる愛の言葉
抱きしめてくれる腕の強さ・・・・・・。
守られてくれる安心感
幸せな未来を見せてくれていた感謝の思い…。

これから私はもっと愚かになる…
なってなって

そして子宮のように 篤朗を失うんだ・・・・・・。
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