略奪愛の結末
自業自得の人生
もう少しで一番愛する人を手に入れる寸前で
地獄に落とされた自分を
俺はもう好きにはなれなかった。

自分自身が滑稽で情けなくて
哀れで……そして殺したいくらい憎い存在になっていた。


あの日 マリにちゃんと話してね


メグはそういって微笑んだけど
俺は胸騒ぎがしてならなかった。
今 思えばこういうこと………。


すべて マリに仕組まれた気がした。


可愛くて妹のように思えたマリは 俺にはもう
悪魔でしたたかで許せない女だった。


「篤朗 マリを幸せにしてね。」

「できない・・・。自分が悪いってわかってても
俺はメグ以外の女を幸せにするなんてできない。」

「マリは私の妹だもの。同じ血がどこかに流れてるわ。
私だと思って…私の分も幸せにして……。」

俺は首をなんかいも振った。

「篤朗に私以外の家族を増やしてあげられないことで
ずっと申し訳ない気持ちでいるのかもしれない
だからこうなって正解なんだよ。」

「家族はメグだけでよかったんだ。
メグが寂しがったら 犬でも猫でも飼って
子供のようにかわいがろうと思った。
俺の中では メグとの未来しか想像もしてなかったんだ。
何であの時 俺は・・・・・
メグと兄貴との関係を疑って絶望して……
それだって今思えば マリの策略だった……。
俺はマリを愛せない……。無理だって……。」


「マリだけじゃない 二人の子供がいるの。
篤朗 しっかりしなさい。
私だって…私だって…辛い……マリの前で
姉の仮面を脱げない自分が…悲しくて仕方ないの…。」


メグが初めて姉でいることの
辛さを吐露した。
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