略奪愛の結末

マリが何を考えているのかわからなくて
安易に気を許せずにいた。

「いい加減にしないと怒るからね。」といった。

「どういうつもりでそんなこと言うの。
もう終わったことだし　からかってんだったら止めて。」

強い口調で言った。

マリが一瞬ひるんだ。

「ごめん私　そんなつもりじゃないんだけど。」

「もうね・・・篤朗とはちゃんと終わりにしたわ。
連絡も取りあってないし…私はずっと我慢して
故郷にも戻らなかった……。」


情けなくなってきた。


「マリともまだ会うつもりはなかったのに……。」


そういうと涙が落ちた。

「おねえちゃん？」

「会いたくなかったんだよ　マリ・・・。」


私は思わずマリを抱きしめた。

「何で・・・マリ・・・・・。
私を一人にしないで。」


骨のようになったマリの体

「こんなに痩せちゃって……バカだね。
どうしてもっと早くわからなかったの？
どうしてもっと自分の体を大切にしなかったの……
マリ……やだ……私たち
二人っきりで生きてきたんだよ……。」


マリの手が私の背中にまわされた。


「うん　わかってるよ
おねえちゃんがいてくれたから
私　寂しくなかったんだよ。ごめんね
何より大切にしなきゃいけなかったのは
おねえちゃんだったのに……。」


マリの細い体が今にもなくなってしまいそうな錯覚に陥る。