略奪愛の結末
落ち着いた私は二人に土下座した。

「お願いがあります・・・・。
私が死んだら 飛勇のことお願いします。
そして篤朗はおねえちゃんを
おねえちゃんは篤朗を……よろしくお願いします。
そうなるべき二人でした……。
私のしたこと許してください。
どうかどうかこれからの長い人生を
私のためにも 幸せに笑顔で暮らしてください…。」


「マリ…何言ってんだよ。」

「忘れられなかったでしょ?篤朗・・・・。
ずっとずっとおねえちゃんのこと 心の底に隠して…
わかってた……。辛かったけど切なかったけど
一緒に暮らす時間が解決してくれるって
簡単に考えていたけど……今現時点でも難しかった。
それにもう時間もないし……。」

笑ってしまった。

「おねえちゃんも 篤朗が忘れられなくて
ずっとひとりでいる……。」

姉は困惑したように下を向いた。

「今さらあんなひどいことして傷つけたのに
こんなこと言って…
だけどだけど…これが正解だった……。
何の恨みも哀しみもない……
二人が一緒にいてくれたら……それが私の
やるべきことだから……。」


「マリ……とてもそんな気にはなれない…。」

「大丈夫……私には見えるの
三人が笑顔で 私のお墓にお花をもってきてくれる。
飛勇は小さいからきっと私のことを忘れてしまう。
思い出もなにもなくなってしまうから
おねえちゃんと三人の思い出で上書きして行って。」

それでいい
心を正す・・・・人生最後に残された宿題

きっとみんな幸せになるから。
< 326 / 365 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop