海宝堂〜海の皇女〜
ポムの家に戻ったシーファ達はガーラのケーキを食べて、用意されたベッドに潜り込んだ。
4人はそれぞれのベッドに横になり、天井を見つめてそれぞれに思いを巡らせた。
しかし、覚悟はしていたとはいえ、慣れない船旅とシドとの戦いで疲れきっていたシーファに睡魔が襲って来たのはすぐだった。
規則正しいシーファの寝息を聞いて、他の3人も目を閉じた。
「ありがとう、ポムじいちゃん。」
次の朝、城に行く用意をすませて、シーファ達はポムに頭を下げた。
「いいえ、いつでも来てくださってかまいません。…いつでも…わしは、待っとりますからな。」
強く握られた手にシーファは優しい笑顔を残して、その手を離し、城への道へと歩き出した。
城への道は穏やかだった。爽やかな風が頬を撫で、草花が揺れた。
道の向こうに見える立派にそびえるその城が、トイス城だ。
城に向かう人も城から来る人も中途半端な時間にはいなかった。
一歩、また一歩と足を進めていくと、シーファの心臓はその音を大きくしていった。
と、ピタリとシーファの足が止まった。
「…どうしよう…このまま行ったら…私…」
覚悟が崩れてしまいそうな恐怖が足をすくませた。
その背中をリュートがぽんっと押した。
シーファが驚いて振り向いた。
「リュート…?」
「だーいじょうぶだって。俺達にはお前が必要なんだから、置いてったりしねぇよ。な!」
ガルとニーナは笑顔でうなずいた。
シーファは顔を上げて城を見上げた。
心臓は驚くほど落ち着きを取り戻していた。
4人はそれぞれのベッドに横になり、天井を見つめてそれぞれに思いを巡らせた。
しかし、覚悟はしていたとはいえ、慣れない船旅とシドとの戦いで疲れきっていたシーファに睡魔が襲って来たのはすぐだった。
規則正しいシーファの寝息を聞いて、他の3人も目を閉じた。
「ありがとう、ポムじいちゃん。」
次の朝、城に行く用意をすませて、シーファ達はポムに頭を下げた。
「いいえ、いつでも来てくださってかまいません。…いつでも…わしは、待っとりますからな。」
強く握られた手にシーファは優しい笑顔を残して、その手を離し、城への道へと歩き出した。
城への道は穏やかだった。爽やかな風が頬を撫で、草花が揺れた。
道の向こうに見える立派にそびえるその城が、トイス城だ。
城に向かう人も城から来る人も中途半端な時間にはいなかった。
一歩、また一歩と足を進めていくと、シーファの心臓はその音を大きくしていった。
と、ピタリとシーファの足が止まった。
「…どうしよう…このまま行ったら…私…」
覚悟が崩れてしまいそうな恐怖が足をすくませた。
その背中をリュートがぽんっと押した。
シーファが驚いて振り向いた。
「リュート…?」
「だーいじょうぶだって。俺達にはお前が必要なんだから、置いてったりしねぇよ。な!」
ガルとニーナは笑顔でうなずいた。
シーファは顔を上げて城を見上げた。
心臓は驚くほど落ち着きを取り戻していた。