あなたの声




「もー!佑樹ったら。こんな目立つとこにつけないでほしいよね~!!」

「佑樹くんって余裕そうに見えるけど意外と独占欲強いんだね?」

「そうなんだよね...成美が羨ましいよ…」

「なんで?愛されてるってことじゃん」

「そーなのかなー?」

「なんで?」

「なんか時々わからなくなるんだー。佑樹さぁ、カラオケでバイトしてるから結構女子高生とかも多くてね?前まで終わったらすぐに連絡くれてたのに最近バイトが終わって1時間くらいしないと連絡来ないんだー」

そう話す沙希の表情はとても悲しそうだった。

「で、でも本当に沙希のこと好きじゃないとキスマークつけたりしないんじゃないかな?」

「なんかあたしの片想いみたい」

「え?」

「あたしばっか佑樹のこと考えて不安になって。佑樹から告白したのに今じゃあたしの方が佑樹のこと好きだもん」

そんな沙希にあたしはなんて声かけたらいいかわからなかった。
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