昔の男
すっかり脱力してしまった私を見て、「最初から無駄なの」と言って私に口づけた。
その唇からどんどん熱が伝わって、私の体を全て溶かしてしまいそうだ。
階段の上では、子供たちが元気に走り回ってサッカーをしているのに、ここはまるで異空間のように静かで、チュッという私の唇を吸う音だけが響いている。
静と動の境界線で、夫でもない男にキスされている自分が現実のものなのかさえ分からなくなる
「集中」
そう言って今度はもっと深いキスをくれる
――もう、考えるのやめよう
その瞬間、私は『女』になった
その唇からどんどん熱が伝わって、私の体を全て溶かしてしまいそうだ。
階段の上では、子供たちが元気に走り回ってサッカーをしているのに、ここはまるで異空間のように静かで、チュッという私の唇を吸う音だけが響いている。
静と動の境界線で、夫でもない男にキスされている自分が現実のものなのかさえ分からなくなる
「集中」
そう言って今度はもっと深いキスをくれる
――もう、考えるのやめよう
その瞬間、私は『女』になった
