狼彼氏に甘いキスを



「豊岡暖人とはどーゆう関係?」


 そんなに詰め寄らないでください、健斗。


「ど、どーゆうって…?」

 冷汗をかきながら誤魔化す。
 だけどすぐばれる。



「七瀬の所に昨日あいつが来たんだよ。夏織はどうした、ってな。」



 健斗にも見られてとは…。


 言っていいものなのか迷っていると、健斗の後ろから声がした。



「俺の彼女」



 胸がはねる。


 声だけでわかるなんて、あたし重症だ…。


 健斗が鬱陶しそうに振り返る。


「それは合意の上で?」


 豊岡くんはいつもより冷たい顔で頷く。

 心なしか、雰囲気も冷たい。


――――いや、冷たいというより…


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