狼彼氏に甘いキスを
屋上に出る扉に隠れるように俯いて座っていた夏織チャン。
俺が来たことにも気付いていないらしい。
俺はあえて呼び掛けず、頭をツンツンとつついた。
ガバッと頭が上がる。
驚いたように見開かれた目には涙が浮かんでいる。
「…豊岡くん」
信じれないような口調に思わず笑みがこぼれる。
「言いたいことがあるだろ」
目にたまっていた涙が頬を伝い出す。
俺はそんな夏織チャンを優しく抱き締めた。
「…嫌いにならないから、言いたいこと言ってみ」
そう囁くと、ギュッと制服を掴まれた。