狼彼氏に甘いキスを
夏織チャンが心中を吐露しだす。
俺は黙って聞く。
「…怖い。豊岡くんに別れよう、って言われることが。」
涙声は心地好く、俺の耳に滑り込む。
「女遊びが激しかった、って聞いた。あたしも遊び?」
不安げな瞳が俺を見上げる。
「違う」
長い言葉なんかいらないと思った。
ただ、否定の言葉だけで。
「…考えちゃうの。豊岡くんが前の彼女に、どんな風に接したか。」
悔しそうに下唇を噛みながら夏織チャンは続ける。
「どんな風に囁いたの?キスしたの?触れたの?あたしに、してないようなことを、他の子にはしてたんでしょ、って。」