エスメラルダ
「余は、議会の決議でもなければ他国の風評でもなく、皆の意見を聞き、皆の思いに応え、これからの政を行っていきたいと思う。その第一番が我が妻の事だ」
エスメラルダは瞠目した。こぼれ落ちそうなほどその大きな緑の瞳を見開いた。
「エスメラルダ・アイリーン・ローグとの婚姻を、他の誰でもない、この国の礎たる皆に願う。許して欲しい」
一瞬の沈黙の後、人々は手を叩いた。喉よ裂けよとばかりに歓声を送った。
「お幸せに!! 国王様! 王妃様!!」
「エスメラルダ王妃に百年の幸あれ!!」
「万歳!!」
兵士達が馬に積んであった荷の一つを大急ぎで解いた。その中から溢れてきたのは野の花だった。
天に花が舞う。エスメラルダの目の前を花弁が踊る。
「わ、わたくし……」
兵士の一人が恭しく花冠を差し出した。
フランヴェルジュはそれを取り上げ、エスメラルダにかぶせる。
「否やはきかん。王の結婚として、民の前での誓い以上に重みのあるものがあろうか? ホトトルの水なんかくそくらえだ。さぁ、俺を一生愛すると誓え。俺も誓う」
フランヴェルジュの真剣な眼差しがエスメラルダの胸を射抜く。
エスメラルダの赤い唇が震えた。
「一生が終っても、来世でも、そのまた次の生でも……貴方だけを愛します、フランヴェルジュ・クウガ・メルローア」
「俺のエスメラルダ!! 時の果てまで俺にはお前だけだ!!」
フランヴェルジュはエスメラルダを抱き寄せると口づけた。
人々の声がこれ以上はないと言うほどまでに高まる。
木々に止まっていた小鳥が、不意に歌いだした。それは全くの偶然でありながら賛歌のようでもあった。
野の花舞い、小鳥の囀り響き、民人の歓声に包まれる、その中で、二人はいつまでも口づけを交わしていた。
───幸せになってね───
遠く、懐かしい声が聞こえたような気が、エスメラルダには、した。
大丈夫よ、レーシアーナ。
エスメラルダは胸の中で囁く。幸せで早鐘打ち、破裂しそうな胸の中囁く。
いつまでも、いつまでも、一緒。
エスメラルダは瞠目した。こぼれ落ちそうなほどその大きな緑の瞳を見開いた。
「エスメラルダ・アイリーン・ローグとの婚姻を、他の誰でもない、この国の礎たる皆に願う。許して欲しい」
一瞬の沈黙の後、人々は手を叩いた。喉よ裂けよとばかりに歓声を送った。
「お幸せに!! 国王様! 王妃様!!」
「エスメラルダ王妃に百年の幸あれ!!」
「万歳!!」
兵士達が馬に積んであった荷の一つを大急ぎで解いた。その中から溢れてきたのは野の花だった。
天に花が舞う。エスメラルダの目の前を花弁が踊る。
「わ、わたくし……」
兵士の一人が恭しく花冠を差し出した。
フランヴェルジュはそれを取り上げ、エスメラルダにかぶせる。
「否やはきかん。王の結婚として、民の前での誓い以上に重みのあるものがあろうか? ホトトルの水なんかくそくらえだ。さぁ、俺を一生愛すると誓え。俺も誓う」
フランヴェルジュの真剣な眼差しがエスメラルダの胸を射抜く。
エスメラルダの赤い唇が震えた。
「一生が終っても、来世でも、そのまた次の生でも……貴方だけを愛します、フランヴェルジュ・クウガ・メルローア」
「俺のエスメラルダ!! 時の果てまで俺にはお前だけだ!!」
フランヴェルジュはエスメラルダを抱き寄せると口づけた。
人々の声がこれ以上はないと言うほどまでに高まる。
木々に止まっていた小鳥が、不意に歌いだした。それは全くの偶然でありながら賛歌のようでもあった。
野の花舞い、小鳥の囀り響き、民人の歓声に包まれる、その中で、二人はいつまでも口づけを交わしていた。
───幸せになってね───
遠く、懐かしい声が聞こえたような気が、エスメラルダには、した。
大丈夫よ、レーシアーナ。
エスメラルダは胸の中で囁く。幸せで早鐘打ち、破裂しそうな胸の中囁く。
いつまでも、いつまでも、一緒。
