アリスと不思議な国

しばらく歩くと、森を抜け草花が咲き乱れる広い草原へと出ました。

「綺麗…。」

しばらくアリスが景色に見とれていると、突然足元の茂みからガサガサと音を立てて揺れ出しました。

「な、何!?」

驚きながらもアリスはそっと茂みを覗きこみました。

すると、茂みから真っ白なうさぎが飛び出してきました。

「かっわいい~!」

両手を伸ばして抱き上げようと、うさぎにアリスが触れるその瞬間…!

なんとうさぎが光出したのです。

「…!?」

アリスは息を飲みました。

うさぎがは光に包まれながら姿を変え、黄金の髪で頭からうさぎの耳を生やした少年になったのですから。

少年は起き上がりアリスの方をじっと見つめました。

アリスも少年をじっと見上げました。

しばらくお互いを見あった頃、少年は口を開きました。

「助けて頂きありがとうございます。」

と、片手をお腹のあたりにあて、深くお辞儀をしました。

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