アリスと不思議な国
「ちょっと!おろしなさいよ!」

アリスはそう言いながら手足をジタバタとバタつかせます。

「おい危ねぇだろうが!」

イナバの顔ぎりぎりをアリスの足が通過します。

「じゃぁ下ろしなさいよ!恥ずかしいじゃない…」


「じゃぁ肩車の方が良かったのか?」

「そ、それも嫌ですけど…でも、この歳でお姫様抱っこなんて恥ずかしいわ!」

「それよりも見てみろよあれ。」

軽くアリスの言葉を流し、イナバは使えない両手の代わりに顎で前を指しました。

「あれって?……わぁっすごい。」

目の前にそびえるおとぎ話に出てきそうな真っ白なお城。

「すごいお城があるわよイナバ!!」

興奮ぎみにアリスはイナバに言います。


「知ってる知ってる。」

「すごいわ、イナバの見える世界はこんなにも広いのね。」

「アリスはちびだからな。」

はははっと笑ながらイナバはアリスをからかいます。

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