デュッセルドルフの針金師たち後編

戦車と競走

さて、フルダを出てニュルンベルクへ向かう
チューリンゲンの森の中のアウトバーン、
このあたりは車の数が極端に少ない。

立派な高速道路をこの1台だけが走っている。
対向車もほとんど来ない。何でこんな所に
こんな立派な道路を作ったのだろう?

アウトバーン東北道といった感じだ。時速
100kmで淡々と走っていた。マメタン
は熟睡している。オサムも眠たくなってきた。

と、その時、何か後方に不穏な気配を感じた。
走りながらじっと耳を澄ます。何かゴーッと
いう音が近づいてきている。間違いない、

だんだんと近づいてきている。走りながらも
揺れを感じる。あーっ!大地が大きく揺れて
ものすごい音だ。見えた見えた!戦車だ!

1台の大型戦車がアウトバーンと並行して
続いている一般道路をものすごいスピードで
走り抜けてくる。ここは富士演習場でもなん

でもない、普通の道だ。ものすごい音とゆれ
の中で林ひとつ隔てて戦車が真横に並んだ。
でかい!白くNATOと真横に描いてある。

北大西洋機構軍の戦車だ。ドイツには兵役が
あって今ではNATOの元独仏軍は仲良く、
米軍ともども訓練を受けている。サッカー

やってるのがドイツ軍でキャッチボールして
いるのが米軍だ。小型戦車を列車で運んでい
るのを何回か見た。戦車と競争するなんて、

日本では到底考えられない。それほどこの国
の軍事情報はオープンなのだろうか?
そういえば、ここら辺でUFOを見たんじゃ

なかったか?チューリンゲンバルトは確かに
ミステリアスだ。山に登ると何とかの妖怪と
いうのが見えるのもこのあたりか?

(ブロッケン山の妖怪はも少し北方)
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