デュッセルドルフの針金師たち後編
第18章戦闘開始

特訓

夕方の5時には10人が戻ってきた。大金を扱うので
みんなの意見を取り入れてさらに信用できそうな次の
5人に決定した。早稲田の山男。名古屋のひょうきん。

大阪のもじゃもじゃ。イスラエル帰りのイスラエル。
それに俳優志望の映画俳優。この新人5人を引き連れて
ユース前のバーへ。ここで初めて自己紹介をし、オサム

は再びカリスマになった。黒ビールで乾杯。極秘
マニュアルを各人に渡す。オオツキさんが、

「今晩中に丸暗記して置くように。明朝9時より
ライン河畔にて特別訓練を開始します。以上、解散」

オサムたちは解散後マンツーマンの組み合わせを決めた。
山男にマメタン。ひょうきんにオサム。もじゃもじゃに
オオツキ。イスラエルにオガワ。映画俳優にボンボン。

もじゃもじゃ大槻組は大阪人同士で漫才のようだ。早稲田
の山男は呑み込みも早くとても安心できる。名古屋の
ひょうきんは技術屋タイプ。くせがあるのはイスラエル。

旅慣れしてて頑固なところがある。熊本の出身だ。
映画俳優は京都生まれの美少年。身のこなしも優雅で
あか抜けている。ボンボンといいコンビだ。

午後からは模擬販売と逃げる練習。何度も繰り返し
だんだんと真剣みを帯びてきた。夜は本番だ。
ユースで夕食。緊張して皆食が進まない。
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