デュッセルドルフの針金師たち後編

スキー三昧

駅前の池ではほうきで氷上を必死で掃きながら、
円盤型の重そうなおもしを滑らせている。

さて初心者二人、オサムともう一人、
着いたばかりの中年カメラマン、は一日千円の
インストラクターを雇って3日間特訓をやった。

マメタンたちは何人かで初級ゲレンデをすいすい
と滑っている。くそっ、そう簡単にはうまくなら
ないのがいやなんだよな、これが・・・・。

4日目から腰掛リフトを使う。これがまた難しい。
どうしても尻餅をついてしまう。Tバーのほうが
まだましだ。毎日くたくたで死にそう。それでも

1週間もすれば十分初級ゲレンデをボーゲンで
二人とも何とか滑れるようになった。こうなって
くると面白い。普通のリフトにもチャレンジして

上の上まで行く。もうがむしゃらスキーだ。
ごてごてになりながら家族ゲレンデに戻ってきた。
アメリカ人の老夫婦がレッスンを受けている。

恐らく一生に一度のスイス旅行なのだろう。
いでたちはアメリカの国旗をもじった派手な
ウエアだが、さすがにゆとり、ひょろひょろと

わずか数10センチすべるだけで、ほほえましく
支えあいキャーキャーと歓声を上げて、十分に
楽しんで見えた。

そうだここはスイスのグリンデルワルド。
がむしゃらはやめてゆとりを持って、
優雅に滑ろう。

もう一人早稲田の山男が加わって4人で
ツアスキーの企画を立ち上げた。
半日コースのフィルストにまずチャレンジだ。
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