怪談短編集


 僕は、先に家に入った。


「ワン!」


 ダレンが、駆け寄ってきた。


「いいこにしてたかい?」


 僕は、ダレンを撫でる。


「ね、いいじゃない。室内で飼うのはごめんだわ」


 母が、なおも言い募る。


「駄目だ。オウムは、こんなに愛らしいんだぞ」


 さっき、車の中でオウムを睨みつけていたのは、誰だよ…!?

「僕も、室内で飼うのは反対!」


 何か、嫌なんだ。

 オウムと、一緒にいるのが。


 というのも、ダレンが牙を剥き出しにして、唸っているから。

 ほら、よく言うじゃないか。

 動物には、人に見えないものが見える…って。


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