怪談短編集



「写真を渡されたんだ」



 興味はなかったけど、写真に視線を移す。



 三つ編みをした金髪の女の子。ピンクのワンピースを着てる。



「いなくなった日の朝に撮ったんだって」



「ふーん、それよかさ、ジャスティン。見ろよ、この絵のサイン」



 僕は、三枚の壁画を弟に見せた。



「サイン…?」


「一枚目の十字軍の絵も、二枚目の王宮の絵も、三枚目の戦争の絵も、全部同じ人がサインしてるだろ?」



 僕は、絵の端を指さした。


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