怪談短編集
三枚目も、今剥がし終えている時点で壁画が見える。
まだ、なんの絵かはわからない。
けど、すごく嫌な…っていうか、なんていうんだろ、ゾクゾクする。
また、サインが同じ人なんじゃないか、って思えて。
僕は頑張って壁を剥がした。
「エイダン、ジュースもらってきた」
ジャスティンが帰ってきたのは、三十分後。大方、説得に時間がかかったのだろう。
「なあ、エイダン。聞いてよ。ジュース貰ってこうと思ったら、大叔母さんに捕まってさー。いなくなったとかいう姉の話を聞かされたんだぜ」
ジャスティンが、困った風に。僕はオレンジジュースを受け取り、飲んだ。
「なんか、かくれんぼしてたら、いなくなったんだって」
そう言い、ジャスティンはポケットを探る。