覚醒彼女~君と生きたい~
僕は年齢を知らない。


きっと、これくらいだろうと思って19才と自分で生を決めた。


そんな僕だけど、名前はある。


今は亡きクレアに拾われた僕の左腕に刻まれた《LUCAS》の文字。


だから、僕の名前はルカ。

こんな状況だから、親と子がいつ離れてもおかしくない。


だから、生まれた子供の身体に名前を彫る。


その傷は、今もこの腕にある。


左腕に、
腫れ上がるように《LUCAS》と…。


痛々しいけど、僕は気に入ってる。


だって、これは朧げな記憶の中の両親がくれた唯一つのものだから。


少なくとも、僕は愛されていたと思える。


僕はその傷をなぞる。


指先に感じる感触は、何故だか心地いい。


「…ルカ…19才…。
E2386地区…今日も生存。」


ぽつりと呟いた。



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