なりすまし
「そうなの!?朝はちゃんと学校に送り出したんだけど……」

吉井の母親はいささか驚いているようだった。


「お家の電話に学校からの着信は無いですか?」

俺はそんな吉井の母親を落ち着かせるためにもゆっくりと話した。

しかしそれでも少し慌てて答えた。

「無かったわ。いつ頃の話?」

いつ頃?
しまった、詳しく知らないのに余計なことを言ってしまった。

「友達からの間接的な情報なので詳しいことは分かりませんが……朝8時前後かお昼頃ではないかと……」


俺は自分でも曖昧で無難な解答だなと思いながら答えた。

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