俺様彼氏の甘い罠
「 うん、いい子だね 」
あっさりと捕まってしまう。
床に落とした会長のネクタイを
拾い上げて、再度私の首元で
きゅっと締められた。
「 ねぇ、澪ちゃん 」
トンッ、と背中を押されて
壁に手をつくと、会長が
後ろから指先で輪郭をなぞって
クイッ、と顎を持ち上げられた。
首だけ後ろを向くような体勢は
苦しくて、無意識に唇を噛むと
会長が小さく笑って、
キスするみたいに、
ゆっくり近づいてきた。
「 ・・・・や、だっ・・・ 」
顎を掴まれているせいで
顔を背けることができなくて
触れる寸前に零れた涙と声に
会長は閉じていた目を開けた。
「 ・・・彼氏でもいるの? 」
「 ・・・・ッうぇ・・・ 」