俺様彼氏の甘い罠




「 もう泣かないの? 」




しばらくして、私の顔を
覗き込んできた会長が
可笑しそうに笑って、
私からそっと離れた。








「 ────────例えばさ 」




前と同じように机に浅く
腰掛けた彼は床に崩れ落ちた
私を見ながら口を開いた。




「 その首輪の持ち主がこの学校の
 生徒だったら、俺は今頃
  転校でもさせてたんだけど 」


「 ・・・・・ 」


「 俺が他校の生徒の奴らから
  澪ちゃんを助けた後、さ
  先生と話してたよね? 」




”階段の上で”って
会長は目を細めて言う。




相槌も打たず、首も振らず、
床を見つめながらぼうっと
話を聞いていた。




< 124 / 231 >

この作品をシェア

pagetop