俺様彼氏の甘い罠
「 もう泣かないの? 」
しばらくして、私の顔を
覗き込んできた会長が
可笑しそうに笑って、
私からそっと離れた。
「 ────────例えばさ 」
前と同じように机に浅く
腰掛けた彼は床に崩れ落ちた
私を見ながら口を開いた。
「 その首輪の持ち主がこの学校の
生徒だったら、俺は今頃
転校でもさせてたんだけど 」
「 ・・・・・ 」
「 俺が他校の生徒の奴らから
澪ちゃんを助けた後、さ
先生と話してたよね? 」
”階段の上で”って
会長は目を細めて言う。
相槌も打たず、首も振らず、
床を見つめながらぼうっと
話を聞いていた。