俺様彼氏の甘い罠




「 ・・・なに泣いてんだよ 」




瞼に落とされたキスのせいで
目頭が熱くなって、




だけど泣いちゃだめだって
ぐっと堪えていたら、
先生がふっ、と笑った。




「 昨日言っただろ?
  お前は俺のモノだ。
  俺のモノが汚いわけがない 」


「 ・・・・・っ、でも・・ 」


「 その顔、俺だけが知ってる澪の顔 」




泣くのを必死に堪えて歪み切った顔は
人前ではしない。




・・・・確かに、先生だけ・・・だけど・・・




「 ”何があっても”離さない。
  こんなことで離すわけないだろ、バカか 」




頭を小突かれて、零れた涙を
先生の手が拭って、優しく抱きしめられた。










「 1人で泣くなよ 」




先生の腕の中は温かくて、安心できて、
・・・・・・だからすごく、切なくなる。




< 156 / 231 >

この作品をシェア

pagetop