俺様彼氏の甘い罠
「 ・・・なに泣いてんだよ 」
瞼に落とされたキスのせいで
目頭が熱くなって、
だけど泣いちゃだめだって
ぐっと堪えていたら、
先生がふっ、と笑った。
「 昨日言っただろ?
お前は俺のモノだ。
俺のモノが汚いわけがない 」
「 ・・・・・っ、でも・・ 」
「 その顔、俺だけが知ってる澪の顔 」
泣くのを必死に堪えて歪み切った顔は
人前ではしない。
・・・・確かに、先生だけ・・・だけど・・・
「 ”何があっても”離さない。
こんなことで離すわけないだろ、バカか 」
頭を小突かれて、零れた涙を
先生の手が拭って、優しく抱きしめられた。
「 1人で泣くなよ 」
先生の腕の中は温かくて、安心できて、
・・・・・・だからすごく、切なくなる。