俺様彼氏の甘い罠




「 俺、もう腹減りすぎて
  倒れそうなんだけど 」




腕の力が緩んで、先生が私の肩に
顔を埋めてボソッとそう言った。




そう言えば、昨日のお昼から
何も食べてなかったなぁ・・・




「 急いで作りますね 」


「 半熟の目玉焼き 」


「 了解です 」




私もお腹すいたな、って
ベッドから立ち上がると
先生の大きな手が髪を撫でて
”5分しか待たない”って
優しい手つきとは裏腹に
そんなことを言われて
キッチンに走って行った。




男の人の割りにキッチンは
綺麗だし、食材もある。




そういうところにまた
先生が大人の男の人なんだって
なんとなく嬉しくて、
頬を緩ませながら手を動かした。




「 直斗? 」




お皿に盛り付けていると
寝室のドアに背中を預けて
楽しそうに目を細めた先生が
目に入って、首を傾げた。




< 157 / 231 >

この作品をシェア

pagetop