俺様彼氏の甘い罠
「 俺、もう腹減りすぎて
倒れそうなんだけど 」
腕の力が緩んで、先生が私の肩に
顔を埋めてボソッとそう言った。
そう言えば、昨日のお昼から
何も食べてなかったなぁ・・・
「 急いで作りますね 」
「 半熟の目玉焼き 」
「 了解です 」
私もお腹すいたな、って
ベッドから立ち上がると
先生の大きな手が髪を撫でて
”5分しか待たない”って
優しい手つきとは裏腹に
そんなことを言われて
キッチンに走って行った。
男の人の割りにキッチンは
綺麗だし、食材もある。
そういうところにまた
先生が大人の男の人なんだって
なんとなく嬉しくて、
頬を緩ませながら手を動かした。
「 直斗? 」
お皿に盛り付けていると
寝室のドアに背中を預けて
楽しそうに目を細めた先生が
目に入って、首を傾げた。