俺様彼氏の甘い罠
「 高坂さん? 」
「 あ、はい!
さっきはありがとうございました 」
小さく頭を下げて見せれば
あれくらい何でもないよ、と
笑ってくれた。
「 俺が最初の客かな? 」
「 はい 」
「 そう、良かった 」
・・・・・・良かった?
首を傾げながら彼を見て、
目が合ってばっと逸らした。
同級生なのに、まるで
大人の人と話してるみたい・・・。
「 ねぇ、澪ちゃん 」
「 ・・・・へ? 」
「 澪ちゃんのおすすめのメニューってなに? 」
メニューを手渡されて
戸惑う私を見て笑いながら
”どれ?”と急かされて、
迷ってる暇はないのかな、って
咄嗟にココアを指差した。