俺様彼氏の甘い罠




「 やっ・・・あの・・・ 」




・・・・断れない雰囲気になってしまった。




手の甲がジンジン熱くて
顔から火が出そうなほど
顔も熱くて。




だけど、背筋は凍りついていた。




どうしよう、どうしよう、って
助けを求めてみるけど
彼のファンが私をキッと睨んでいて
すぐに視線を足元に落とした。




「 ・・・・・・じ、時間過ぎてますし・・ 」


「 うん、だから? 」


「 次の、方がいらっしゃいますし・・・ 」


「 だけど”今”は俺だよね? 」




言葉を濁らせても、詰まらせても、
この人には勝てない。




キングと呼ばれるだけはある。と
改めて私はそう思った。




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