俺様彼氏の甘い罠




「 ・・・ねぇ、澪ちゃん 」


「 ?・・・はい 」




肩の力なんてもうとっくに
消えていて、すっかり
リラックスしていた私は
俯くこともなく、緩みきった
顔で彼を見上げていた。




────────────カタッ




最大でもお客さんにつけるのは10分。
混んでいる場合は5分、と
私にとってはすごく長い時間だったけど
最初のお客さんが彼でよかった、と
緊張していた私は少しホッとしていた。




「 ・・・・あ、の? 」




テーブルに置かれているストップウォッチが
”時間”を示して、鳴り出した。




会長は立ち上がりながら、
ストップウォッチを止めて、
そのまま私のすぐ横に立つと
優しく微笑んだ。




「 一緒に校舎回ろうか 」


「 ・・・・え?でも、私・・・ 」


「 俺と回るの、嫌? 」




クイッと手を引っ張られて
みんなに見せ付けるように
私の手の甲にチュッ、と
優しくキスを落とすと
クラス中の女子の悲鳴が
教室内に響き渡った。




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