俺様彼氏の甘い罠
「 心配しなくていい 」
「 ・・・・そう、ですか 」
「 こういうことしても
もう誰にも文句言わせねーよ 」
車をバックさせていた先生が
後頭部に手を回して、
ぐっと引き寄せられた。
一瞬重なった唇は熱くて、
驚いて目を見開いた私を見て
小さく笑いを零して
車を発進させた。
膝の上でぎゅっと握った
手の中にある証書筒。
私はついさっき、
先生にプロポーズされたんだ。
改めて考えるとすごく恥ずかしくて、
だけど嬉しくて。
「 ・・・泣き過ぎだって 」
ポロポロと泣き出した私の頭を
撫でながら、先生はやっぱり笑っていた。