俺様彼氏の甘い罠
「 大事なものを簡単に
落としたり取られたりしちゃ
だめだよ、澪ちゃん 」
会長が向かっているのは
多分、生徒会室。
生徒会室なんて学祭じゃ
使わなくて、段々人気が
なくなっていく。
・・・・・学祭、最終日なのに。
「 指輪落として困ってるってことは
指輪をくれる人がいるんだね 」
「 ・・・・・ 」
「 彼氏、とか? 」
生徒会室前で離された手を
制服の裾で拭きながら
再度会長を睨み上げると
”威勢がいいんだね”って
笑われて、生徒会室に入れられた。
───────────ガチャンッ
「 何で鍵閉めるんですか? 」
先に入れられた私が振り返ると
会長は怖いくらいの笑顔で
私の腕を掴んだ。