俺様彼氏の甘い罠




「 っ・・・・・澪! 」


「 結花ちゃん! 」




最初からお見通しだったのか
後手でドアを閉めながら
”騙すなんて酷いことするね”って
私にはもちろん、結花ちゃんにも
聞こえるような声で言っていた。




「 ・・・・離してください 」


「 別に俺は悪い人じゃないんだし
  そんなに嫌がることはないんじゃない? 」


「 ・・・・・ 」




嫌がられるようなことを
しておいてどうしてそんなことを
言えるんだろう・・・




ムッとしながら会長を睨んだら
ふっ、と鼻で笑われて
ぐいっと手を引っ張られらた。




「 ひざ掛け、大事なんじゃないの? 」


「 ・・・・・・・っ!! 」


「 まぁ、ついでに言うと
  澪ちゃん落し物してるよね 」




前を歩く会長が一瞬振り返って
私に笑いかける。




──────────・・落し物、って・・・




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