俺様彼氏の甘い罠
「 ゆ、指輪・・返してください 」
グッ、と会長を押し返すように
腕に力を入れて、
会長がソファに投げたひざ掛けは
片手で掴んでいた。
「 指輪、って言うか・・・
まぁ、これでしょ? 」
会長がポケットに手を差し込んで
”シャラッ”て音と一緒に
出てきたネックレス。
先生にもらった、指輪。
「 返してください・・・っ 」
「 んー・・・別に返してもいいけど 」
ネックレスを目の前に出されて
だけど掴もうとするとひょいっと
高く持ち上げられて。
まるで子どもみたいな
からかい方をされて、
私は更にムッとして
”返して!”と声を張った。