俺様彼氏の甘い罠
結花ちゃんがキッと
会長を睨んだけど
言い直す気配はなくて、
景品の方が気になるみんなは
”まぁ、いいか”なんて
私の背中を押した。
「 ・・・・・・っ 」
「 澪・・・無理しないで 」
「 い、行ける・・・よ 」
震える手をぎゅっと握っていたら
”そんなに緊張しなくても”なんて
周りに笑われた。
いつもなら、緊張で震えるんだろうけど
今は緊張なんて欠片もない。
緊張を軽々と超えた”恐怖心”で
全身が震えていた。
「 1位の3年4組には、”温泉とプール”を
堪能できる施設の1日貸切券を・・・ 」
会長が言い終わる前に
4組の生徒が騒ぎ出して
最後の方はあまり聞こえなかった。
早く受け取って離れたくて
急かすように両手を出した。