俺様彼氏の甘い罠
「 ─────────で、進路なんだけど 」
いつものイスに座った先生が
足を組んで、腕を組んで、
目の前に立つ私をチロリと見た。
「 何か考えてるのか? 」
「 ・・・・・へ? 」
「 ・・・・考えてないんだな 」
進路の話はもう”先生のお嫁さん”で
終わったんだと思っていたから
急に話を切り出されて思わず
間抜けな声を出してしまった。
そんな私を見て小さく溜息をついて、
持っていたペンを机の上に置いた。
「 専業主婦にはなってほしくないな 」
「 ・・・・え 」
「 いや、・・・いいんだけど・・ 」
私が首を傾げていると、先生は
片手で前髪をかき上げて
視線を足元へ落とした。