黒姫
「…コホッ。な……に、今の…??」

掠れた声で思わず呟いた。絞められていた首はまだヒリヒリ痛む。




「それに……これ、何?」

フード男がいない事にホッとしたけど、私の周りに浮かぶ白い光の筋が気になった。

怖いとかの気持ちは無い。
寧ろ、どこか温かくて安心できる…。

そんな光の筋に手を伸ばし、そっと触れようとした時…








『……ごめんなさい…。』

泣きそうな女の人の声が聞こえてきた。いや、泣いている気がする…。





『お前を……あちらへ…。』

悔しそうな男の人の声。この人も、泣いているような気がした。







『『…本当の場所へ。』』

「………えっ…?」


姿が見えない男女の声が揃った。言っている意味が分からず、問いかけようと口を開いた瞬間、目を開けていられない程の眩しい光が私の視界一面に広がった。




あまりにも眩しくてギュッと目を瞑った。

何かに体が引かれている感覚を感じながら、急に意識が遠くにいくのが分かる。

















『『側にいるから…』』

そんな声を最後に、私は意識を手放した。





















光が終息する頃、公園には誰もいなくなっていた。

ベンチに未だ少し温かい紅茶だけを残して…。


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