君色Diary

灰色の空


「七海ー?今日は学校、行かないのー?」


「…………うん」



一階から聞こえてくるお母さんの声に、あたしは聞こえるわけがないほどの小さな声で返事をすると、むくっとベッドから起き上がった。

時計を見れば、9時半を指していて。


普段だったら、もう学校に行ってる時間だな……。

でも、今日は休日だし……。



夏休みに学校へ来ると言っていた際に、決めていたこと。


“土日・祝日は家でのんびりと過ごす”


葉月と陽向くんは普通に部活もあるけれど、あたしと空くんは帰宅部。

夏休みにも関わらず、学校へ来ているのも、陽向くんと空くんのバスケが、一番のメインなわけで。


だから、あたしと空くんは、土日と祝日は学校へ行かずに、それぞれ夏休みを楽しもうと決めていた。



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