君色Diary
「なに、陽向くん……」



あたしは力の抜けた返事をすると、手につられるように、陽向くんの隣に座る。

そしてガックリと肩を落とすと、陽向くんは、クスクス笑いながら、ゆっくり口を開いて。



「……俺、そろそろ葉月に、告白しようと思う」



楽しそうに笑いながら。

でも、真剣みを帯びた言葉が、薄暗い倉庫に響く。

それに驚いて顔を上げれば、陽向くんは、ニッと笑って。



「でさー。俺、花火大会のときに言おうと思ってて……」


「ちょっ……待って、待って!ストップ!」




あたしが驚くのもそのままに、話を進めようとする陽向くんを止める。

頭の中は、突然のカミングアウトに混乱して。



「……告白、するんだ?」



あたしはゆっくりと、確かめるように聞いた。


< 276 / 373 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop