転校生は憧れの人
「よっしゃあ。高月、あれ乗ろか」
ゲートに入ってすぐ、滝川くんはあるアトラクションを指差す。
見ると、ぐるぐる螺旋を描いていたり、高所から急降下している結構怖そうなジェットコースターがそこにはあった。
「別に良いよ」
「ホンマに? 強がらんでもええねんで~」
「何? それは自分のこと言ってんの?」
またもや始まる男同士の争い。
そんな中、私と梓ちゃんは目を合わせ、再びクスリと笑ってみせた。
「まあ、ええわ。……梓と一ノ瀬は大丈夫か?」
「もちろん!」
「うん、私も行くよ」
……実は私、こういうの好きなんだよね。
頷いた私達は、次に列へと加わっていった。