転校生は憧れの人



……ちょっと待ってよ。それって、そういうことだよね!?



「そそそそんなっ! 悪いよ」



私は真っ赤になって手を振る。



「……あ、あそこに何かいるけど」


「え、どこっ。きゃーー!」



見たくない。


そう思った途端、耳を塞いで反射的にしゃがみ込んでいた。



「嘘だよ」



そんな私の頭上に、小さな溜め息が混じった優しい声。


私は、ゆっくりと顔を上げた。





< 80 / 309 >

この作品をシェア

pagetop