転校生は憧れの人



「ねぇ、どう分かれるの」



ぽつりと落とされたその声が、耳に響く。


どうって……。そっか。4人で乗れないってことは、二手に分かれなくちゃいけないんだ。


二手に……二手……ふ、た。


――あっ!



「どうするー?」


「わ、私、梓ちゃんと乗るよ!」



ふとあることに気がついた私は、瞬時に声を上げた。


だってだってだって! 密室のゴンドラの中で数分間男の子と2人きりなんて、絶対無理なんだもん!


よし、これで免れた!


……そう、迂闊にも安心しきった時だった。





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