転校生は憧れの人
――トクン、トクン……。
対面するように座った私達。
2人っきりのこの空気に、心臓は深く拍動を刻む。
「……」
「……」
だ、駄目だ!
気づけば、またしても沈黙。
誰も口を開かないせいで、ゴンドラの中はあの時と同じように静まり返っている。
ど、どうしよう。私が何か話さなきゃ!
「っ、綺麗だね景色」
「そう?」
「……」
うぅっ、どーしよ~~~!
思い切って話しかけてみるも、呆気なく撃沈。
梓ちゃん、助けてよ……。