胸キュン
その場に取り残された私は立ち上がる事もせず…その場にしゃがみ込んでいた。
湊を私は傷付けた。
あの笑顔も壊してしまった。
「知花!」
戻って来ない私を心配したのか彩乃が私のもとにやって来た。
「知花!」
ボロボロの私を見て彩乃が走って私のもとに来る。
「知花!どうしたの!?大丈夫なの!?」
「…彩乃…」
「湊君が涙目で戻って来たから変だと思ったの。何があったの!?」
湊も涙目なんだ…。
「知花!言わなきゃわからないよ!」
「…彩乃…。私…どぅしたらいいの…?」
「え?」
「私…私…」
「知花…。わかった。わかったから泣きなさい?我慢しなくていいから。泣きな!」
彩乃が私を抱きしめてくれた。
「訳は後で聞いてあげるから。だから泣いてもいいよ?私以外誰もいないから。」
「…ッ…ぅ…」
「いいよ?泣いても…大丈夫だよ?ねっ?知花」
彩乃の優しい言葉。優しい笑顔。
もう涙がとまらない。
溢れて零れて…前が見えない…。
「うわぁぁぁぁん!!!!」
声が枯れるまで泣き続けた。
彩乃は何も言わずただ抱きしめてくれていた。
彩乃の腕も震えていた。
彩乃は私の為に泣いてくれてるの…?