胸キュン
声が枯れるまで泣き続けてちょっとすっきりした私は彩乃から離れた。
「ごめん…ね…。」
「話せる?」
「話しながら泣いたら…ごめん…ね…?」
「気にしないから。」
私はゆっくり…さっきの出来事を話した。
途中、やっぱり波が溢れてきたけど…ゆっくり話した。
彩乃はその間、ずっと手を握ってくれていた。
話し終えたら彩乃が優しく微笑んでくれた。
「いろいろ…あったんだね…?頑張ったね。気付かなくてごめんね?」
「……」
「…だけど…知花が悪いよ?湊君は傷付くよ。」
「…だょね」
「湊君と知花の関係は本当に中途半端だったよね?正直…微妙だと思ってた。だけど二人の事だから口だしはやめてたの。知花は…湊君が好きなんだよね?」
「…ぅん。好きだけど…あの関係が壊れるの嫌だったから…」
「それを湊君に伝えたの?ちゃんと伝えた?」
「…伝えてない…」
「だったら…湊君だって傷付くよ?」
「……」
「知花だけが勝手に考えて勝手に終わらせたら駄目だよ。ちゃんと湊君に伝えなきゃ?泣くほど後悔しちゃったんでしょ?」
「…ぅん。」
「結局…壊れたんだよ?前の関係は。もう戻れないなら新しい関係を作るしかないよ?」
「…そだね。」
彩乃の考えは正しい。
絶対にもう…前の関係には戻れない…。
だったら新しい関係を作らないと…。