恋のレシピの作り方
 ―――アルページュ閉店後。

 試行錯誤を繰り返し、奈央は新作の詰めに入っていた。奈央が個人的に厨房を使えるのはいつも閉店後で今日は遅くならないようにと、手際良く作業を進めていた。


「よし! これで完璧!」

 誰もいない厨房に奈央の声が響く―――。

 自信のあるものしか見せたくない、きっとそれを一条も望んでいる。一条の仕事の厳しさは奈央も納得していたし、尊敬していた。


(そうだ、せっかくだし一条さんに食べてもらおう)


 奈央は意外にもうまくできた試作品に浮き立って私服に着替えると、リブインしている一条の部屋に向かった―――。
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