恋のレシピの作り方
 その日、奈央は早めに仕事を切り上げて、最近創刊された料理雑誌を帰りがけに購入した。

 特に中身を立ち読みして吟味したわけではないが、見慣れない雑誌だったので何気なく手にとっただけだった。
 
 シャワーからあがり、濡れた髪の毛をタオルで拭きながら、パラパラと雑誌をめくっていくと、当たり前のようにアルページュのことが載っていた。自分の職場が雑誌に載る。ただそれだけのことだったが、奈央は少し誇らしく思えた。
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