恋のレシピの作り方
「……なに、これ」

 奈央の目に飛び込んできたのは、フレンチレストランヴェルテの新作メニューの一部が特集で取り上げられていた。そして、そこに載っているもの全て、アルページュで現在出されているものや、未発表のメニューを独自にアレンジされたものだった。


「どうして……」

 自分の知らないところで誰かが、人目を憚って策動している。そう思うと、奈央は全身が粟立つのを覚えた。アルページュに、そして大切な人に忍び寄るその影に、奈央は嫌な焦燥感を煽られると、それを振り切るように勢い良く雑誌を閉じた。すると、雑誌の裏表紙の端に出版社の名前が目に入った。
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