恋のレシピの作り方
 まるで何かにとり憑かれたように、麗華の目がギラギラと鈍い光を放っている。口元には怪しい笑みを浮かべ、奈央は一瞬怖気づきそうになる。

「なんでもいから司の注意を引きたかった、それがこんな形だったとしても、司が私を見てくれるなら……もうなんでも―――」


 ―――バシッ!


 人気のないホテルの廊下に乾いた音が弾けた。


「馬鹿にするのもいい加減にして」


 奈央は麗華の言葉を両断するように、反射的に麗華の頬を打っていた。麗華は叩かれた頬に手をやりながら横目で奈央を睨みつけた。

「な、何するのよ……」


「私がそんな条件飲むわけないでしょ!?」
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