私のナイトはやくざ
・・・・・


数日後、お父さんが言っていた総会が開かれた。


「山下組長とはうちの息子と縁があるようで・・・」

嫌みを含んだ低い声で、お父さんは話しかける。


「縁なんでしゃれたものではないですよ。
 息子さんに自分の女をもってかれただけですから・・・

 まあ、いい勉強になりましたよ。

 今度は息子さんにもお勉強をしていただこうと思っていますがね」


その言葉はその場を凍らせた・・・


「そうですか・・・それはそれは、ご立派なお考えですな。」

御父さんもこの世界に長く君臨しているだけあって動揺ひとつ見せない。

総会に出席している組のほどんどが高籐の傘下にいることも知らないわけでもないのに・・・

隆司は話をやめようとしない。


言葉だけでは仲よさそうに感じるが、お互い腹の探り合うと言った感じだろう。
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