私のナイトはやくざ
いつも通り、仕事から帰ると、彼は家の中で小さくなっていた。


『ただいま・・・』

「おっお帰り」

『どうしたの?』

「いっいや・・・なんでもない。金・・・金くれよ」

『もう、ないわ。渡すお金は』

「お前は俺のために金を稼いでこいよ。
 昼間の仕事以外に夜も働いて来い。」

『それ、どういう意味?』

「俺・・・借金があるんだ。100万・・・」

『何に使ったの?一体??』

「うるせー。俺が何に使おうが関係ねーだろ。」

彼はそういうと、私のおなかをけった。

どれくらい彼から叩かれたんだろう。
もう自分でも麻ひしてきている。

少ししてから、彼は私のおなかに手をあてて、

「ごめん。俺、お前が好きだから・・・ずっと傍にいたいんだ」


そう・・・これもいつもの事。

彼は私に暴力をふるったあと、必ず私にやさしくする。

今までは、彼のその行動にほだされてきた
けど、今日は・・・


『もう、限界。別れて・・・』

私は最後の言葉を言ってしまった。

その言葉を聞いた彼は、私に向かって叩いてきた。

私は、そのまま我慢をするしかなかった。
< 13 / 152 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop