私のナイトはやくざ

荷物が運び終わると･･･

「真由美さん･･･彼が話があるそうです。
　聞いてあげてはいかがでしょうか･･･
　もちろん、私が傍にいますから、安心してくださいね」

『はい・・・』


「今まですまなかった･･･俺、就職できなくて、同級生はみんな勤め始めて、
　社会人やってんのに、俺だけが学生で…
　真由美も、俺をバカにしてんだって思えてきて･･･
　俺が悪かったよ。今までごめんな。
　
　今までありがとう。俺と別れてくれ･･･」


彼のやさしい心があると言葉を聞いたのは何カ月ぶりにことだろう。

今その言葉を聞いて、再び、愛せるかと言えば無理だけど…

でも、喧嘩別れより、ずっといい。


きっと高籐さんが話をしてくれたおかげだと思う。
感謝しかない･･･


『これからはちゃん生きてね。
　さよなら･･･』


私が彼に向けて言える最後の言葉だった。